<br> 一万人目のお姫様<br>







一万人目のお姫様



この扉を開けてみて。


扉の先にある、素敵な世界が貴女を待っているよ。






………






「ねぇねぇ、放課後ホスト部に行ってみません?」


「え?」



この凪子(友達)の一言が、退屈な私の毎日をガラッと変えることになるとは、このときの私は全く気付いていなかった。



「ホスト部ってなに?」


「はい?」



凪子のポカンとした顔。私は、



…マヌケ面。



とか、失礼な事を考えながら、もう一度言う。



「だから〜ホスト部ってなに?」


「…さん、本気で言ってますの?」


「うん」


「バカ」



は?バカ?ってかお嬢様がバカとか言っていいんですか?



「この学校でホスト部を知らないなんて貴女だけよ!!」



ビシッと指を突きつけられた。



…指、人に向けないでください。






………






あの後、永遠とホスト部の説明をされた。

つまり、高等部の男子7人が暇つぶしに作った部で、同じく暇なお嬢様たちをもてなすね…。

そのメンバーの中には、うちのクラスの人たちもいるんだっけ?

凪子も行ったことがないから、詳しく知らないっていうけど…私かしてみれば十分だと思うよ?






………






ー放課後



「楽しみですね」



笑顔で言う凪子。


「うんっ!」


私も笑顔で答える。でも内心…。


…冗談、早く帰りたい。



言っている事と、思っている事が全く違ったが、あえてそこはスルーで。


ふと、気がつくと、もう部室の前に着いていた。



「なんか緊張してきましたわ…さん先に入ってくださらない?」


「んー」



頷くと私は扉を開けた。



ガチャ…



一歩、足を踏み入れると。



パンッパァーンッ



無数の破裂音。


それと同時に。


『ホスト部へようこそ!!1万人目の姫君!』



と、歓迎。



後ろの凪子なんて、顔が真っ赤になっていた。

うん、スゴイの一言しかでないよ。



私たちがボーっとしていると、目の前に眼鏡の人がやって来た。



「ようこそ。1万人目のお客様ということで、色々特典がございますが…。


まずは、ホスト部のメンバーを好きなだけ選べますが、誰をご指名しますか?」


「えっ?あっじゃあ…」






………






『【どっちが光くんでしょーか】ゲーム!!』



あのあと、私達は初めてということで、

同じクラスの常陸院君と藤岡君を指名した。

そして、席についてすぐに始まったのがアレ。

藤岡君は「またか…」って顔をしてたけど。

それにしても、藤岡君ってホントに男?

女の子の間違いじゃないかなぁ…。



「…ん。さん」


「…え?…あっ」



やばっ聞いてなかった;



私が内心アタフタしていると、

藤岡君がクスッと笑ってから教えてくれた。



「どっちが光だと思う?」


「あっありがと;」



藤岡君にお礼をいうと、私はすぐに答えた。



「えーと、右が光君で左が馨君」


『ブブーハズレー!!』


「左が光で」


「右が馨!」



……は?

いや、まぁ本人達が言ってんだから…。



「そっかぁ。やっぱ適当じゃダメだね?」



私は笑いながら言う。


「大丈夫だよ。姫」


「僕たちがそっくりすぎだからさ」



こう言った二人に対して、藤岡君はジトーッと見ていたが。


「……でも、私もハズレでしたよね?」


凪子が横でこう呟いていたことに、私達は気付いていなかった。






………






楽しい時間はあっという間に過ぎていくもの。

二人が帰る時間がやってくる。



「今日は楽しかったです」


「また、絶対来ますね!!」



そう言って凪子は先に部屋から出た。

私も出ようと思ったけど…。

やっぱり、このまま出たんじゃ面白くないよね?

皆もそうは思わない?(笑)



さん?」



ボーっと突っ立っている私を心配して、藤岡君が話しかけてきた。



「…」



最初は藤岡君ね。



私はニヤっと笑ってから言った。



「またね。ハルヒちゃん?」



『!!』



3人のとても驚いた表情。



クスッ当たりだったみたいだね



「ちょ、ちょっと待って、姫!!」



部屋を出ようとした私を光が止める。



「ん?なに光君?」


「は!?」


「…もしかして、姫。ハルヒが女だって気付いてる?」


「うん」


「んで、僕たちの見分けついてたりする?;」


「さぁね、馨くん? んじゃ、また明日〜」



バタン…



「ばっちり見分けついてるじゃん」


「…まさか見分けついていたとはね〜」


「ホント、ホント。」


「じゃあ、さっきもわざと気付いてないフリしてたんだ…」



ボソッと呟くハルヒ。


それを聞いて僕たちは…。



『面白い』


「は?」



そう言って笑った。






………






2人が私に姫をつけないで、話しかけてきたのは次の日。

まぁ、そのときのことは、また別のお話で?



………



大変長らくお待たせいたしました!


1万HIT記念フリー夢でホスト部です!!


なんか、序章みたいな感じで終わりましたが、

一応これで完結です。


好評だったら続編作るかも(笑)


皆さま、1万HIT本当にありがとうございます!!


これからも、よろしくお願いします!!


あっこんなのでも一応フリー夢!

皆さまご自由にお持ち帰りください